大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(す)258 決定

右の者から被告人A、同Bに対する各食糧管理法違反被告事件(当庁昭和三〇年

(あ)第九五九号)について、昭和三〇年七月二〇日当裁判所のした上告棄却の決

定に対し、別紙のとおり異議の申立があつたが、右申立は理由がないものと認める

ので、刑訴四一四条、三八六条二項、三八五条二項、四二六条一項に則り裁判官小

谷勝重の補足意見を除き裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

裁判官小谷勝重の補足意見は次のとおりである。

上告理由は刑訴四〇五条各号所定の事由のものに限り適法な上告理由となるので

あつて、同四一一条各号所定の事由のものは戦権調査事項を定めたものであり、従

つて同条各号事由のものが上告趣意書に記載されていても、それは適法な上告理由

(即ち刑訴四〇五条所定の理由)とはならず、ただ上告裁判所に対し職権調査事項

の事由である四一一条各号の事由の存在することの注意を喚起しもつてその主張事

由に対する職権調査権の発動を促すに過ぎないものと解すべきである。それ故上告

趣意書に四〇五条の理由に該当しない事由が述べられてあるときは、それは本来の

適法な上告理由とはならないものであるから、本件原決定文のとおり「……刑訴四

〇五条の上告理由に当らない」と判示したのであり(即ち上告趣意に四〇五条該当

の事由が述べられてあるときは、以上の判示ではいけないのであつて、それには一

々その理由があるかないかの説示をする必要があるのである)、次に原決定文に「

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない」とあるのは、

本件上告趣意に述べられてある事由は何れも刑訴四一一条に該当するもの、即ち「

職権調査」事由に当るものばかりであり、そしてその主張事由及びその他同条各号

所定の事由の有無を記録により調査しても、同条を適用すべきもの(即ち同条によ

り原判決を破棄すべきもの)とは認めらないとする判示であるのである。最後に本

件異議申立理由の最末段の点については、刑訴三八一条の量刑不当の事由は控訴審

では適法な控訴理由であるが、上告審では適法な上告理由(即ち四〇五条の上告理

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由)とはならず、四一一条二号の職権調査事項に過ぎないのであるから、右三八一

条は上告審には準用のないことは明らかである。

以上のとおりにつき原決定には何等違法不当のかどはないから、本件異議申立は

棄却されるべきものである。

主 文

本件申立を棄却する。

昭和三〇年九月二日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官谷村唯一郎は出張につき記名押印することができない。

裁判長裁判官 栗 山 茂

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